ピロリ菌が発見されて20年ほどたち、次のような病気との関係が明らかになりました。
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ピロリ菌が発見されて20年ほどたち、次のような病気との関係が明らかになりました。
胃壁の表面の粘膜の炎症の事です。ピロリ菌がいると程度の差こそあれ、胃炎になります。食欲低下や胃もたれがすることもありますが、ほとんどの人は無症状です。
胃は食べ物の消化や殺菌のために、強い酸性の消化液「胃酸」を分泌しています。その胃液から自分自身を守るため、胃壁はいつでも粘膜で覆われています。ところが胃炎などで粘膜が不足すると胃壁を守りきれなくなり、潰瘍ができてしまい、胃痛などが起こります。酸を減らす薬(胃酸分泌抑制薬)で治療できますが再発しやすく、薬を長期間飲み続けなければいけないことがよくあります。胃・十二指腸潰瘍の患者様の大部分がピロリ菌に感染しています。ピロリ菌の除菌(薬で菌を退治すること)で8割以上の人が完治し、再発もしなくなります。
同じ部分に長期間刺激が加わるとがんになることがありますが、ピロリ菌による持続的な刺激でも胃がんが発生する事があると考えられています。最近、ピロリ菌を除菌することによって胃がん発生の危険を減らせることが、統計的にもわかってきました。
(一般社団法人 日本臨床内科医会編集/日本ベクトン・ディッキンソン株式会社後援/わかりやすい病気のはなしシリーズ29「ピロリ菌と胃の病気」2009年、1~3頁)